純血のヴァンパイア
ゆっくりと振り返り、彼女を見据える。

「もう遅いわ。あなたは罪のない人間を殺し過ぎた。

それに、燐は犬じゃない。私の大切な仲間を侮辱しないで。」


ワントーン低い声で言い放ち、大鎌をもつ手に力をいれた。

「規律を守れないヴァンパイアは私が粛清する。」

大鎌の刃が、深く突き刺さり切り裂く。

それと同時に叫び声が辺りを包み、黒い散りとなり宙に舞い消えた。



「つまんないの。」

「燐、なんて事いうの?」

つまらなさそうに、両手を頭の後ろに組む。

そんな燐をジロッと睨みつける。
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