純血のヴァンパイア
私はこういう集まりは、あまり好きじゃないんだけど

“王の娘”という肩書が付く以上は出席しなければならない。

今日そこで父の信じられない言葉を聞いた。


「我が同胞達よ、今宵もよく集まってくれた。ここで、重大な発表をしたいと思う。」


沢山のヴァンパイアが広間に集まり、思い思いに楽しんでいる中

階段中央部にある踊り場で、父が皆に声を掛けた。


ヴァンパイアの王である父が、“重大な発表”といった事で

ざわざわと騒いでいた広間は、一瞬にして静まり返る。


「優月、こっちへ来なさい。」

父の側に近寄ると、再び皆の方に目をやり再び口を開く。
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