純血のヴァンパイア
「燐がね、雪兎君を元気づけようって誘ってくれたの。」

「わっ、麻子さん。ソレ言っちゃだめだよ~。」

バツが悪そうに、頭をガシガシ掻いている燐。

フフ…燐なりに考えてくれたんだな。

「さぁ、入れよ。寒かっただろう?」



************************************
***********************


その夜は、皆で麻子さんと優月が作ってくれた料理を囲みながら

ふざけあったりしながら、ワイワイ楽しく時間が過ぎて行った。



「あ、雪兎―――みんなは?」

暖炉の前にあるソファに座りながら、優月が振り返る。


はしゃぎ過ぎたのか、ココに来るのに疲れたのか

皆で話しているうちに、1人、また1人とその場に寝始めた。

燐や蓮だけなら、そのままにしておいても大丈夫だろうけど

流石に麻子さんはそのままにはしておけなくて

燐を無理やり起して、客室に連れて行った。

蓮は1人で行ける、といって

燐と麻子さんの隣の客室に入って行くのを見届けた。
< 227 / 237 >

この作品をシェア

pagetop