純血のヴァンパイア
「私に?何だろう…」

ゆっくり小箱は小箱の箱を開けて行く。

「指輪……きれい…」

「これ、母の形見なんだ。」

そういうと、優月は瞳を大きく開いて僕を見つめる。

「え?そんな大切なもの、貰えないよ。」


小箱を僕に返そうとするから

その手を持って、箱の中の指輪を取り出した。

「大切なものだから、優月に受け取って貰いたいんだ。」

優月の瞳が揺れる。


「僕は、優月にいっぱい助けて貰って、勇気や立ち向かう力を教えて貰った。
 それに、人を愛する事も。」

「そんなことない」

ふるふると、首を左右に振って否定する。

けど、そんな仕草も可愛くて―――

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