純血のヴァンパイア
「いった通りだが?」

ソファに深く座り、顔だけを私に向ける。


「1年後に婚儀を行うというのは、本当ですか?」

「本当だ。」

「誰と?」

「婚約者がいるだろう?」

さも当り前だと言うように、表情を変えず答えて行く。


ムカつく…大体、婚約者って言っても勝手に言ってるだけで

今まで夜会にも現れず、一度も会った事が無い。

本当に居るのかも、疑わしいのに。


「イヤなのか?」

「当たり前です!会った事もない男と、結婚なんて出来ません!!」

思わず、大きな声を出してしまう。
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