純血のヴァンパイア
5.穏やかな日々
病室を出ると

壁にもたれかかる様にして、蓮が待っていた。

「優月。」

「分かってる。」


短く答えた私に、それ以上何も言わず後ろをついて来る。

蓮の言いたい事は分かっている。


『人間に深入りするな。私達と人間は違う』


不用意に近づけは、その者も自分自身も危険に陥る場合がある。

私の場合は、特に―――――


「監視の為よ。」

自分に言い聞かせるように、呟いた。


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