純血のヴァンパイア
燐と麻子さんは、何もしていないって意味なのか両手を肩の高さに上げ

顔を左右に振っている。

こういう時だけ、息がぴったり合うんだから。


「「ぷっ…あははは…」」

私と雪兎は、顔を見合ってどちらともなく、笑い始めた。


「でも、本当。優月ちゃん達が来てくれるようになってから、雪兎くんの体調すごくいいのよ~。これからも仲良くしてあげてね。」


「うわっ、余計な事言わなくていから!!」

ほんのり、顔を赤くしながら慌てている。


何度か、ココに来るようになって

少しずつ自分の事を話してくれるようになった。

5歳より前の記憶が無い事。身内が誰も居ない事。

親切なおじさんが行く当ても無い雪兎を助け、この病院に入れてくれた事。

けれど、そのおじさんは不思議な事に助けてくれた時以来会っていない事。

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