純血のヴァンパイア
あまりにも理不尽すぎる。

私は、その後すぐに着替え同胞たちに挨拶する事もなく

城を飛び出し、人間界に来た。


『優、ちょっと待ってよ~』

後ろを追いかけて来る、銀色の狼が声を掛けてくるけど

答える気になれず、そのまま闇夜を当てもなく走り続ける。


イライラが、自分の中で消化出来ず

今話しかけると、当たってしまいそうな自分がイヤだった。

出来れば、一人にして欲しかったけど

この2人に何言っても、付いてきてしまうから。


後ろを、チラッと見れば銀色と漆黒の狼が付かず離れずの距離を保って

付いてきている。


はぁ~やっぱり、一人なんてさせてくれないよね~。

溜め息をつくと共に、夜空を見上げた。
< 8 / 237 >

この作品をシェア

pagetop