ペンネームはKとM


マサ君は出て行った。


私が花屋のバイトに行っている間に。


髪を切ればいいのかな?


甘いものを吐くほど食べればいいのかな?


わからない。


これだけ人を好きになったこともない。


その好きな人と別れたこともない。


私が話を考え、マサ君がそれを絵にする。


当たり前だと思っていたことが、そうじゃない。


そうじゃ、なかったんだ…。


ああ。


涙。


涙だ。


泣けばいいんだ。


髪を切るより、甘いものを食べるより、泣けばいい。


簡単だ。


私はソファに座り、泣いた。


泣きながら、


こう考えた。


もしリディアなら?





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