ペンネームはKとM


「これ、なんだかイメージが違うような気がするんだ」


「そう?」


「うん。こう、悪いヤツなんだけど、リディアの願いを聞き入れることになるの」


「うん」


「だからこうもっと、優しい感じっていうか」


「いや、これでいいと思う」


「え?」


「地球を滅ぼした男なんだよね?最終的にリディアの望みを叶えるけど、二人はまだこれから本気で殺し合いするわけだし、これくらいの殺気はあっていいよ」


「うん。でも、でもね、赤い目になるの。赤と緑が戦う。彼の中の善と悪が。だから今から目は赤がいいと思うんだ、文章の流れ的にも」


「いや、まだ彼自身、それに気づいてないから、赤にするのはおかしいよ。だからこの絵はこれでいいんだ」


「…あ、そう」


そう言うしかなかった。


それからすぐに私はお風呂に入り、いや、逃げ込んだのか。


でもお風呂から出ると、いつものマサ君だった。よく笑うマサ君。


けど、隣人との絶叫対決でも、私はどこか上の空。


これでいいんだ。


そのフレーズだけが繰り返される。


それ、私にじゃなく、マサ君、自分に言ってる…。


そして私の予感は当たった。





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