花火前線

「ばっ女の子なんだから濡れたら大変でしょ?」

「大丈夫ですよ。先輩のその傘、花菜先輩に貸してください」


今は泣きたい気分だから。

雨に濡れてしまえば、涙も見えないから…


「では、私は帰りますね」


話していたら雨がひどくなっていた。

でも、私の足はどんどん進んでいく。
< 24 / 148 >

この作品をシェア

pagetop