花火前線

「はい、これ?」


とっさに黒い影に包まれたかと思い

声の主を見る。

その人は、背が高いわけでもなく 

顔が特別カッコイいわけでもなかった。

でも、私にはすごくカッコ良く見えて。


「あ、はい!取って下さりありがとうございます」


同学年には、こんな人はいなかった。

だとすると、先輩しか考えられない。
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