花火前線

立ってられなくなったのか、

佐澤はその場に座り込んだ。


「優しくしないで下さい…」

「え?」


ぽつぽつ流れ出ている涙。

今、この子はどんな気持ちでいるのかな。


「好きなのに…大好きなのに…どうして…」


“好き”


なぜだか、懐かしく響いた言葉。
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