帰らない二人―彼の鍵―
ガタン、と音がしてエレベーターは降下するのではなく上昇し始めた。
「き、北中さん・・・?」
「ああ~・・この重力なんか気持ちぃわ・・・」
私の手を解放したら、北中さんは急に穏やかな顔をして静かに目を閉じた。
静まり返るエレベーターの中で目の前にいるのは見たことのない隙だらけの北中さん。
目のやり場に困る!と初めは思って顔を逸らしていたけれど、実は酔っているからほんとに寝てしまったのかと心配になってもう一度顔を向けた。
目を閉じて寝ているような北中さんは、いつもの意地悪な顔なんかこれっぽっちも想像させない、優しくて穏やかな顔をしてる。
ああ・・・やっぱり疲れてるのかな?
簡単に契約取ってるように思いがちだけど、北中さんは人一倍頑張っているから結果が出ているだけなんだよね・・・
そんなことを考えていたら再びガタン、と振動を感じた。
表示を見ると“R”
屋上まで来ちゃったんだ。
「ひゃぁっ?!」
「き、北中さん・・・?」
「ああ~・・この重力なんか気持ちぃわ・・・」
私の手を解放したら、北中さんは急に穏やかな顔をして静かに目を閉じた。
静まり返るエレベーターの中で目の前にいるのは見たことのない隙だらけの北中さん。
目のやり場に困る!と初めは思って顔を逸らしていたけれど、実は酔っているからほんとに寝てしまったのかと心配になってもう一度顔を向けた。
目を閉じて寝ているような北中さんは、いつもの意地悪な顔なんかこれっぽっちも想像させない、優しくて穏やかな顔をしてる。
ああ・・・やっぱり疲れてるのかな?
簡単に契約取ってるように思いがちだけど、北中さんは人一倍頑張っているから結果が出ているだけなんだよね・・・
そんなことを考えていたら再びガタン、と振動を感じた。
表示を見ると“R”
屋上まで来ちゃったんだ。
「ひゃぁっ?!」