【完】白のあなたに恋をする
「白…」
私は急に何かに突き落とされたように不安になって、
すがるように白のブレザーの裾をひっぱった。
「あぁ、悪い。杏、こいつ俺の同中。」
「同中…」
と、いうことは二人は同級生なのかな…?
「ほらーっ!白くんがちゃんと説明しないから彼女、理解できないじゃーんっ!
もぉ、相変わらずだなぁっ。」
相変わらず…。
その言葉がちくっと私のなにかに刺さった。
そんな私の気持ちも知らないで、唯さんは私の顔を覗いた。
「こんにちわっ!白くんの彼女さん!私、篠原 唯(シノハラユイ)っていいます!宜しくねっ?」
「え、えと、黒瀬 杏です…。」
唯さんは私の手をとって、もう一度、
よろしくっ、と私の手をぶんぶんと振った。
本当に元気な子だなぁ…と私は思った。
「え~とっ、何から説明すればいいかな?えと、白くんと私は中学三年間同じクラスで、わりと話してたんだぁ~っ」
話してた…。
白、は、中学時代は話す子だったのかな…?