【完】白のあなたに恋をする
「おい…、人のことをベラベラ話すんじゃねぇ。」
「え~っ!?ベラベラなんて、話してないよ!」
「どの口が言ってんだよっ。」
わいわいと、盛り上がる二人。
ズキッ…。
やめて。
そんな顔、私以外の人に見せないで…。
「やめて…」
はっ、と私は我にかえり、自分が発した言葉に恥じらいを感じる。
私…今なんて…。
「杏…?」
「あ~…、ごめんね!杏ちゃん!白くんもごめん!邪魔しちゃって!」
「いや…」
「じゃあ、私、これからバイトあるから!あっ…それと…」
すっ、っと
唯さんは白に近づいて、
「…今度は、振るんじゃないよ…
あの時の、私たちみたいに。」
――そう言い残していった。