【完】白のあなたに恋をする







「おい…、人のことをベラベラ話すんじゃねぇ。」


「え~っ!?ベラベラなんて、話してないよ!」


「どの口が言ってんだよっ。」




わいわいと、盛り上がる二人。



ズキッ…。


やめて。


そんな顔、私以外の人に見せないで…。



「やめて…」


はっ、と私は我にかえり、自分が発した言葉に恥じらいを感じる。

私…今なんて…。


「杏…?」


「あ~…、ごめんね!杏ちゃん!白くんもごめん!邪魔しちゃって!」


「いや…」


「じゃあ、私、これからバイトあるから!あっ…それと…」


すっ、っと

唯さんは白に近づいて、





「…今度は、振るんじゃないよ…



あの時の、私たちみたいに。」





――そう言い残していった。





< 274 / 415 >

この作品をシェア

pagetop