【完】白のあなたに恋をする
私の目から今まで我慢してきた涙が、ボロボロと溢れ出た。
これじゃもう止まらない。
息をするのもままならない。
そんな私を白は壊れものを扱うように、
優しく、引き寄せてその体で包んでくれた。
そして、今まで黙って抑えていたれなが身を私たちより一歩前に出した。
「…あんたに言いたいことは一日じゃ足りないほど山ほどある…
けど…、今は抑えてあげる。
とにかく今は杏と白の精神状態や、
あんたのせいで体に傷がついた宏の手当てを優先したい…。
そこ、どいてここから解放してよ…。」
そのれなの言葉は怒りを最大限に抑えてるように聞こえた。
きっと、れなのことだ。
私たちのために優先するべきことを考えて抑えていてくれるのだろう。
だけど、唯さんは、それでもどかなかった。
「いやよ…、白を…離したくない…っ。
離したくないっ…よぉっ…。」
震える声で、座り込んでしまっていた。