【完】白のあなたに恋をする
私たちはドアとくぐり、
唯さんがいる空間から抜けようとした。
その時、唯さんの声が聞こえた。
でもそれは聞こえるか聞こえないかの声だったけど、
気になって私は唯さんがいる方向へ、
振り返った。
やっぱりボソボソと聞こえてくる。
「……っぱり…、……さない…」
「え…?」
「……さない…。」
「唯さっ…」
この瞬間。
私は見えた。
唯さんの手に、
ギラリと光る、なにかが。
遅かった…、私は気づくのに遅かった。
気づいたときには、
もうすでに唯さんが動き出していた。
凄い速さで"それ"を握りしめ、
私めがけて突っ込んで来た___…
「あんたに!!!
渡さないんだからぁぁあ!!!!!」
__________…グサッ…