【完】白のあなたに恋をする
思考が、現実についていかない。
…?れな?
なに…?なんていってるの…?
なんでそんな悲鳴みたいな声…。
宏くん?
誰と電話してるの…?
そんなに焦って…なにを話しているの?
唯さん…。
何…その酷い顔…、その手に持ってる"それ"って…。
私は、"それ"に付着している生々しい赤に目に入った時、
辛い現実に戻った。
「いやっ…、白っ…白ぅう!!!
いやっ…、いやぁ…!!」
私は白の体にしがみついた。
置いていかないで、と駄々をこねる子供みたいに、白を抱きしめた。
白の体がどんどん冷たくなっている。
いやだ…いやだいやだいやだ!!!
「杏ちゃんっ!!!」
「!?宏く…っ、いやっ、白がっ…」
「っ…!!落ち着くんだっ!!
今救急車をよんだ!!とにかく止血しないと…!!」
宏くんはそう言って自分もあまり動かせない体で、動こうとしない白に止血をし始めた。
ここは廃虚されたホテルだから救急車の発見が遅くならないようにれなは外へ出た。
唯さんは、ブツブツと呟くだけだった。ただ、ひたすら___……。