【完】白のあなたに恋をする
そう私は尋ねた。
「あの子ね…、笑うようになったの…。」
「え…?」
「あなた…、杏さん、白にある病気があるの知ってる…?」
白の病気…それは、白が誰よりも恨んでるもの。
「原因不明の病気…。」
「そう…。それは生まれつきついてしまったものだから、あの子小さい頃から無理して笑ってたのよ…。
私たちを安心させるために…。
けれど…それは中学生のときからピタリと笑わなくなってしまったの…。」
「……。」
それはきっと…、過去の唯さんの仕業なんだろうな…。
「それから…白は変わってしまったの…。
ううん…、それが心の中に隠してた本音だったのかもしれない…。
なにもかも全部、投げ出したかのように人と関わらなくなったの…。
けれど…、高校に入ってからあの子…笑うようになったの…。
それはきっと、あなたのせいね…。
あの子ね…、一度だけ、私たちにあなたのことを喋ったの。
その時の幸せそうな顔ったら…。」
私は涙が止まらなかった。
止めることなんてできなかった…。
「白っ…、白ぅっ…!」