【完】白のあなたに恋をする
「ですから、皆様には七橋さんの最悪の場合を覚悟していただき…
今から手術室の方に____……」
いや…、白がいなくなるなんて…
「いやっ…。」
嫌だよ…絶対に…っ
体が激しく震え始めるのを感じる。
気が狂いそう。
怖い…怖い怖いっ!!!
助けてっ…!
そのとき、
誰かの手であろう温もりを、
私の背中に感じた____
「杏ちゃん…、大丈夫だ。落ち着け…。」
「っ…!っ、宏くん…!?」
そこには、手当ての後が痛々しい、
白の幼なじみである、宏くんの姿があった。
「すみません…、今の話…聞かせてもらいました。
お願いします…俺も白のところに行かせて下さい。」
宏くんは私の背中を支えながら、先生に頼みこんだ。
それを肯定するようにお義父さんはこう言った。
「この子は、白の幼なじみなんです…。お願いします…。」
「分かりました……どうぞこちらへ…。」
手術室の扉が、ゆっくりと開いた……。
「…大丈夫だ、杏ちゃん…。
俺もついてる……。」