【完】白のあなたに恋をする









開かれた扉の中は…






あまりにも残酷すぎた…。









「白っ…!!!」






私は、飛びついた。






目を閉じて、いつかどこかへ行ってしまいそうな白に…。






「白っ…!白…っ、お願い…!!
起きてっ…起きてよぉっ…!!」






「っ…、皆さん!!七橋さんは今意識が朦朧(もうろう)としてます!!!

意識が戻るように呼び続けてください!!!」





お医者さんはそう叫んだ。





意識が朦朧(もうろう)としてる……?








じゃあこの声は今届いてるの?届いてないの…?






どこかへ…、行っちゃうの…?







私は白の手を両手で握りしめた。









「ねぇ…白…起きてよ…。




私も…宏くんも…れなも、お義母さんもお義父さんも……



…唯さんだって待ってるよ…?






だから、起きてよ…。」







起きてよ……。





起きて、またあの屋上に行こうよ。





また私が苦しくなったとき抱きしめてよ…。




白が辛いこと抱え込んでるときはそばにいて抱きしめたいよ…。






いつもみたいにキスしてよ…。






いつも…っ、いつも見たいに…。









「笑ってよぉっ…!!!!」








目を開かない白の頬を軽く叩いた。













< 386 / 415 >

この作品をシェア

pagetop