【完】白のあなたに恋をする
開かれた扉の中は…
あまりにも残酷すぎた…。
「白っ…!!!」
私は、飛びついた。
目を閉じて、いつかどこかへ行ってしまいそうな白に…。
「白っ…!白…っ、お願い…!!
起きてっ…起きてよぉっ…!!」
「っ…、皆さん!!七橋さんは今意識が朦朧(もうろう)としてます!!!
意識が戻るように呼び続けてください!!!」
お医者さんはそう叫んだ。
意識が朦朧(もうろう)としてる……?
じゃあこの声は今届いてるの?届いてないの…?
どこかへ…、行っちゃうの…?
私は白の手を両手で握りしめた。
「ねぇ…白…起きてよ…。
私も…宏くんも…れなも、お義母さんもお義父さんも……
…唯さんだって待ってるよ…?
だから、起きてよ…。」
起きてよ……。
起きて、またあの屋上に行こうよ。
また私が苦しくなったとき抱きしめてよ…。
白が辛いこと抱え込んでるときはそばにいて抱きしめたいよ…。
いつもみたいにキスしてよ…。
いつも…っ、いつも見たいに…。
「笑ってよぉっ…!!!!」
目を開かない白の頬を軽く叩いた。