【完】白のあなたに恋をする







白の薬指に、ペアリングをはめ終えて、



そう伝えた。



精一杯の気持ちを込めて…。






白はそれに応えるように、


私をギュッと力強く抱きしめた。





「雪…、大きくなってきたな。」




「ん…。」



「なぁ、杏…俺はお前を愛してる。」






白は私を抱きしめながら告げた。






「あの時…、俺が死にかけのとき、


お前が俺を"愛してる"って言ってくれたな…。」




「!」




あれ…届いてたんだ。




「…本当は俺が先に言いたかった。


口で…、お前に言いたかった。


…いいところはいつも杏にこされるな。」




そんなことない、と私は言いたかったけれど、



白の抱きしめる力が強すぎて、


私はただ聞くことしかできなかった。








< 410 / 415 >

この作品をシェア

pagetop