【完】白のあなたに恋をする
私は自分に素直になって、
聞きたいことを口にした。
「言うほどのことじゃないよ…」
「…そういえば、日野くん前に七橋くんは恋をしちゃいけないって…」
…………………………………。
一分くらいの沈黙。
一分ってこんなに長いんだなぁ。
日野くんは耐えきれなくなったのか、またにこっと笑った。
「黒瀬っ、ココア冷えてるぜ?俺が飲もうか?」
「えっ…あっ。」
日野くんはなにも言わず私のココアをぐびーっと飲み干した。
もちろん、私が口をつけた部分と逆の部分を口にして。
「さてと!そろそろかえるか!
俺地元だから駅まで送ってくよ!」
「あっ…。」
日野くんは立ち上がると、歩き出した。
私もまた日野くんを追った。
聞きたかったこと、…怖くて探るのをやめた。
………今は。