悪魔か天使か!?〜David or angel〜
入学式が終わった。
ピタリと私の頬に桜の花びらが張り付く。
あー桜の季節かぁ。
桜の木の下にいる人はやや上を見ている。
空を見ているのかな…?
私も上を見上げる。
あ…飛行機雲。
彼の整った横顔。
サラサラな茶髪。
少し着崩している。
違うのは服装くらい。
あなたは海斗?
それとも…だぁれ?
「あ…さっきの変なヤツ。」
「変で悪かったわね!」
「誰なの、海斗って?」
海斗?それはね、私の大好きな人。もうこの世にはいないの。
そばにいるときはね、気づかなかった、この気持ち…。
そばにいすぎだったよ…ね…?
「まぁいーけど。」
そう言って彼は、また空を見上げる。
「あんさぁ。飛行機雲って教室にいると届きそうなきがすんだよね。なんつーか、この手でつかめそうな…。だけど、外にいると全然別世界のように感じる。」
え…。
そう言って笑顔で振り向いた彼は、海斗。
と私は錯覚したほどだった。