悪魔か天使か!?〜David or angel〜
「ごめん!!」
沈黙の中、口を開いたのは有紗だった。
「私から!夕陽にキスしたの。夕陽は何も悪くない。悪いのは私。」
「なんでキスなんてしたんだよ...?」
魅月が声のトーンを下げて聞く。
「うらやましかったの...メイが。」
私...?
「夕陽と幸せいっぱいで...。私なんて魅月に振られるし...。しかもメイが好きだって...ふざけんなって...。」
魅月...有紗のこと振ってたんだ。
「だから、キスした。」
「だからって...。」
魅月が言う。
「ごめんなさい...。卑怯だよね?私。もう二度とみんなとは関わらないから...!」
そう言って有紗は走り去ってしまった。
「有紗...っ!」
私が叫んでも有紗は振り向こうとしない。
「いーよ!あんなやつ!」
魅月...
「魅月。追いかけなよ...。」
「でも俺は!メイが!」
「この世に女の子傷つけていい男はいないの!!」
「...。」
魅月は静かに頷くと、有紗を追いかけていった。
残ったのは私と夕陽...。
「メイ...ごめんな?」
「いーよ、別に。」
「お前っていっつもそうだよな。」
え?
「いっつもどーでもいいような顔してさ。俺に対しての興味とか無いわけ?」
「...夕陽?」
「...ごめん。俺が悪いのに...。」
いつから無くなったんだろうか...あの、天使のような夕陽の笑顔は...。