焼け木杭に火はつくか?
「ベーグルは、そこにいるベーグル屋さんからの差し入れな」
そう言って、良太郎の指定席に座っている男を、聡は指差した。
唐突な聡の言葉に、漏れ聞こえていた聡と良太郎の会話に忍び笑いを噛み殺していた男は、驚いたように良太郎と聡に目を向けた。
同じように、聡の言葉で自分に目を向けている良太郎と目があった男は、すぐに愛想のいい笑みを浮かべると、良太郎に向かい軽く頭を下げた。
「はじめまして。ベーグル屋の長谷好孝(はせよしたか)です」「あー。あの蔵みたいな建物に入ったベーグル屋さんですか?」
「ええ。そうです」
ようやく、男の正体が判った良太郎は、だから見覚えがあったのかと納得した。
良太郎自身は長谷の店には未だに行ったことはなかったが、店の前を通ったときに、遠目ながらに、何度かその姿を見かけたことはあった。
合点がいったと言うように頷いている良太郎を指差しながら、聡は続けて長谷に良太郎を紹介する
「長谷さん、こいつは三島良太郎。後輩っつーか、腐れ縁っつーか、幼なじみつーか。子どものころから付き合いあるやつで、今は小説書いて食ってるやつです」
聡の言葉に、長谷は大きく頷いた。
そう言って、良太郎の指定席に座っている男を、聡は指差した。
唐突な聡の言葉に、漏れ聞こえていた聡と良太郎の会話に忍び笑いを噛み殺していた男は、驚いたように良太郎と聡に目を向けた。
同じように、聡の言葉で自分に目を向けている良太郎と目があった男は、すぐに愛想のいい笑みを浮かべると、良太郎に向かい軽く頭を下げた。
「はじめまして。ベーグル屋の長谷好孝(はせよしたか)です」「あー。あの蔵みたいな建物に入ったベーグル屋さんですか?」
「ええ。そうです」
ようやく、男の正体が判った良太郎は、だから見覚えがあったのかと納得した。
良太郎自身は長谷の店には未だに行ったことはなかったが、店の前を通ったときに、遠目ながらに、何度かその姿を見かけたことはあった。
合点がいったと言うように頷いている良太郎を指差しながら、聡は続けて長谷に良太郎を紹介する
「長谷さん、こいつは三島良太郎。後輩っつーか、腐れ縁っつーか、幼なじみつーか。子どものころから付き合いあるやつで、今は小説書いて食ってるやつです」
聡の言葉に、長谷は大きく頷いた。