焼け木杭に火はつくか?
その良太郎が、また実家で暮らすようになったのは、三ヶ月ほど前からだった。
年が明けて間もない、まだ寒さ厳しい冬の最中に、三島家に起こったある事件がそのきっかけとなった。
二年前から、信二は九州に単身赴任している身となっていた。
盆休みや正月休みなどのなると帰ってくるが、普段は実家では道代が一人で暮らしている。
その実家に、白昼堂々、空き巣が入った。
家に置いてあった現金数万円は盗まれたが、家人の外出時を狙っての犯行だったため、道代に危害が加えられることは無かった。
その数日後のこと。
-一応知らせておくね
深夜に掛かってきた近所に住む幼馴染みからの電話でそのことを知った良太郎は、翌日、取るものも取りあえず電車に飛び乗り、急ぎ、実家に帰った。
いきなり姿を見せた息子に驚いている母親に「何で知らせないっ」と、良太郎は声を張り上げた。
-怪我は?
-どこから入ったんだよ?
-玄関の鍵は取り替えたのか?
良太郎は唖然としている母親に対して、喋る暇も与えぬ勢いで質問攻めにして、母親を更に閉口させたほどだった。
年が明けて間もない、まだ寒さ厳しい冬の最中に、三島家に起こったある事件がそのきっかけとなった。
二年前から、信二は九州に単身赴任している身となっていた。
盆休みや正月休みなどのなると帰ってくるが、普段は実家では道代が一人で暮らしている。
その実家に、白昼堂々、空き巣が入った。
家に置いてあった現金数万円は盗まれたが、家人の外出時を狙っての犯行だったため、道代に危害が加えられることは無かった。
その数日後のこと。
-一応知らせておくね
深夜に掛かってきた近所に住む幼馴染みからの電話でそのことを知った良太郎は、翌日、取るものも取りあえず電車に飛び乗り、急ぎ、実家に帰った。
いきなり姿を見せた息子に驚いている母親に「何で知らせないっ」と、良太郎は声を張り上げた。
-怪我は?
-どこから入ったんだよ?
-玄関の鍵は取り替えたのか?
良太郎は唖然としている母親に対して、喋る暇も与えぬ勢いで質問攻めにして、母親を更に閉口させたほどだった。