焼け木杭に火はつくか?
「見たのはホント。ウソじゃねーって」
まだ疑ってるのかと、夏海に答えた聡の顔には、ややうんざりとした色が浮かんでいた。
「だって、昨日今日のことじゃないのよ」
「うん。かなり前だな」
「聡にそんな記憶力があることが信じられないんだけど」
「失礼だなあ。オイラがここで料理作ってるとき、本見たりしてねーべ。記憶力くらいあらぁ」
「まあね。そりゃ、そうだけど。覚えてた、ねえ。」
「だよ。夏海さんが見たことない男といたから、つい、じっくり顔を見ちまって、だからよく覚えてた」
「その記憶力、どうして勉強に使えなかったのかしらねえ」
深いため息が添えられた夏海のその言葉に、聡は「嫌いだから」と潔いまできっぱりと断言した。
その言いように良太郎は肩を震わせ、サトルくんらしいなと笑う。
まだ疑ってるのかと、夏海に答えた聡の顔には、ややうんざりとした色が浮かんでいた。
「だって、昨日今日のことじゃないのよ」
「うん。かなり前だな」
「聡にそんな記憶力があることが信じられないんだけど」
「失礼だなあ。オイラがここで料理作ってるとき、本見たりしてねーべ。記憶力くらいあらぁ」
「まあね。そりゃ、そうだけど。覚えてた、ねえ。」
「だよ。夏海さんが見たことない男といたから、つい、じっくり顔を見ちまって、だからよく覚えてた」
「その記憶力、どうして勉強に使えなかったのかしらねえ」
深いため息が添えられた夏海のその言葉に、聡は「嫌いだから」と潔いまできっぱりと断言した。
その言いように良太郎は肩を震わせ、サトルくんらしいなと笑う。