紺碧の海 金色の砂漠
金色の砂漠 編
(1)胸騒ぎのハネムーン
(1)胸騒ぎのハネムーン
「無理! 絶対に無理だってば」
「心配いたすな。そっと進めればよかろう」
楽観的なミシュアル国王の言葉に、舞は必死で抵抗する。
「壊れるって、アルは加減を知らないじゃない。すぐに無茶するんだから」
舞の言葉にいささかムッとした表情をしつつ、
「ガタガタ言わずともよい。黙って見ておれ」
そう言ってミシュアル国王はゆっくりと奥に進める。壁を擦りながらも、どうにかねじ込んで行く。
舞はその様子を、固唾を飲んで見守った。
「アル……がんばって、もう少し……」
「わかっておる。そう急かすな」
彼の額に噴き出した汗は、頬から顎を伝い滴り落ちた。真剣な表情で、琥珀色の瞳を煌かせるミシュアル国王の顔を、舞はじっと見つめる。
(なんかもう……可愛いなぁ)
ミシュアル国王が貫通する寸前――
「あんっ!」
舞は思わず声を上げた。
最後の最後で力を入れすぎてしまったようだ。それとも、ミシュアル国王の腕が太すぎたのか。
「やん、もう! アルの馬鹿っ! せっかく作ったのにぃ」
舞は三十分かけて作った砂の城が崩れ落ちるのを、残念そうに眺めるのだった。
「無理! 絶対に無理だってば」
「心配いたすな。そっと進めればよかろう」
楽観的なミシュアル国王の言葉に、舞は必死で抵抗する。
「壊れるって、アルは加減を知らないじゃない。すぐに無茶するんだから」
舞の言葉にいささかムッとした表情をしつつ、
「ガタガタ言わずともよい。黙って見ておれ」
そう言ってミシュアル国王はゆっくりと奥に進める。壁を擦りながらも、どうにかねじ込んで行く。
舞はその様子を、固唾を飲んで見守った。
「アル……がんばって、もう少し……」
「わかっておる。そう急かすな」
彼の額に噴き出した汗は、頬から顎を伝い滴り落ちた。真剣な表情で、琥珀色の瞳を煌かせるミシュアル国王の顔を、舞はじっと見つめる。
(なんかもう……可愛いなぁ)
ミシュアル国王が貫通する寸前――
「あんっ!」
舞は思わず声を上げた。
最後の最後で力を入れすぎてしまったようだ。それとも、ミシュアル国王の腕が太すぎたのか。
「やん、もう! アルの馬鹿っ! せっかく作ったのにぃ」
舞は三十分かけて作った砂の城が崩れ落ちるのを、残念そうに眺めるのだった。