紺碧の海 金色の砂漠
小さいころ、幼稚園の砂場で作るのが大好きだった――“王子様の住んでるお城”。
舞はそのことを思い出し、セルリアン島のビーチでせっせと砂の城を作り始めた。
しかし、この浜の砂はサラサラしていて上手く固まらない。なるべく掘って濡れた部分でチャレンジし、ようやく形になってきたところだった。
「お城ができたらトンネルを作るの」
「トンネル? なぜ、城にトンネルなのだ?」
ミシュアル国王は当たり前のような質問をする。
「い、いいのよ、理由なんか何でもっ! とにかく、仲の良いお友達と反対側からトンネルを掘って行って、真ん中で指が合うのがすっごく嬉しかったの!」
同じ幼稚園の名前も覚えていない男の子だった。
舞が極秘で、クアルン王国ミシュアル王子の婚約者に選ばれたのが五歳のとき。それ以前は公務員の娘として普通の生活を送っていた。当然、舞が通っていたのは、近所の公立幼稚園だ。
懐かしい思い出を舞が語っていると、とたんにミシュアル国王が不機嫌になったのである。
どうやら、一緒に遊んでいたのが男の子と知り、ヤキモチを妬きはじめたらしい。
(なんで幼稚園児に妬くわけ?)
そしていきなり、「私もその城にトンネルを掘る!」と宣言したのだった。
舞はそのことを思い出し、セルリアン島のビーチでせっせと砂の城を作り始めた。
しかし、この浜の砂はサラサラしていて上手く固まらない。なるべく掘って濡れた部分でチャレンジし、ようやく形になってきたところだった。
「お城ができたらトンネルを作るの」
「トンネル? なぜ、城にトンネルなのだ?」
ミシュアル国王は当たり前のような質問をする。
「い、いいのよ、理由なんか何でもっ! とにかく、仲の良いお友達と反対側からトンネルを掘って行って、真ん中で指が合うのがすっごく嬉しかったの!」
同じ幼稚園の名前も覚えていない男の子だった。
舞が極秘で、クアルン王国ミシュアル王子の婚約者に選ばれたのが五歳のとき。それ以前は公務員の娘として普通の生活を送っていた。当然、舞が通っていたのは、近所の公立幼稚園だ。
懐かしい思い出を舞が語っていると、とたんにミシュアル国王が不機嫌になったのである。
どうやら、一緒に遊んでいたのが男の子と知り、ヤキモチを妬きはじめたらしい。
(なんで幼稚園児に妬くわけ?)
そしていきなり、「私もその城にトンネルを掘る!」と宣言したのだった。