紺碧の海 金色の砂漠
自分の手をひっくり返し、ミシュアル国王は舞の手をしっかりと握った。


「……あん……」


握った手をそのまま引っ張られ、舞は彼の胸に倒れ込む。


「私となら、どこでも幸せか?」

「ん。そう言ったじゃない」


滅多に見られない海パン姿のミシュアル国王である。カラフルなハイビスカス柄がかなり可愛い。

かたや、舞は真っ白なビキニであった。

彼にとって女性のイメージは黒いアバヤ姿だ。ところが、東京の結婚式で舞は純白のウェディングドレスを身に纏った。それはミシュアル国王に、新鮮な衝撃を与えたという。

今回、白い水着を用意させたのは彼自身であった。  

舞は甘いムードに気をよくして、ミシュアル国王の胸にもたれ掛かる。


(浜辺で水着姿なんて……思いっきりハネムーン! って感じで最高!)


ふたりきりでセルリアン島の国立リゾートを貸し切り、ビーチをはじめリゾート内の色んな施設で遊び……。

ヴィラに戻ったら、心ゆくまで夫婦の時間を楽しむ。それもベッドの上だけとは限らず、たくさんの場所でミシュアル国王は舞を楽しませてくれた。


舞がうっとりしていると、彼の唇が舞の頬に触れた。くすぐったいが何となく気持ちがいい。


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