紺碧の海 金色の砂漠
「ほう。では、貴殿は私が独りで騒いでいるだけだ、と」
「とんでもありません。閣下の周囲で何かが起こっているのは事実。情報の伝達に問題が生じて……」
「そんな瑣末な問題で、車が吹き飛ぶと思っているのかっ!?」
「いえ。私が申し上げておりますのは、ミシュアル国王陛下や王族の皆様ではなく、シーク・ヤイーシュ閣下の御身を狙ったものではないか、と」
その言葉にヤイーシュの顔は青ざめ立ち上がった。
「それは聞き捨てならん! 我がアル=バドル一族に、姑息な手段で族長の命を狙う輩などおらぬ。訂正せぬなら、ただでは済まさん!」
「しかし……」
「サトウ、貴重な意見だが……彼に謝罪するんだ」
レイの一言でサトウは「言葉が過ぎました。お許し下さい」と頭を下げる。彼はそのまま、部屋から出て行った。
『うちの補佐官は私にも意見するくらいだ。君の名誉を傷つけるつもりなど一切ない。許してやってくれ』
国王であるレイに謝られては、ヤイーシュもそれ以上は言えない。
代わって、黙り込む主君――ミシュアルに声を掛けた。
『陛下、ラシード殿下たちに万一のことはないと思いますが、ターヒルの身が危険です。一刻も早く国に戻り、事態の解明に――陛下!』
「とんでもありません。閣下の周囲で何かが起こっているのは事実。情報の伝達に問題が生じて……」
「そんな瑣末な問題で、車が吹き飛ぶと思っているのかっ!?」
「いえ。私が申し上げておりますのは、ミシュアル国王陛下や王族の皆様ではなく、シーク・ヤイーシュ閣下の御身を狙ったものではないか、と」
その言葉にヤイーシュの顔は青ざめ立ち上がった。
「それは聞き捨てならん! 我がアル=バドル一族に、姑息な手段で族長の命を狙う輩などおらぬ。訂正せぬなら、ただでは済まさん!」
「しかし……」
「サトウ、貴重な意見だが……彼に謝罪するんだ」
レイの一言でサトウは「言葉が過ぎました。お許し下さい」と頭を下げる。彼はそのまま、部屋から出て行った。
『うちの補佐官は私にも意見するくらいだ。君の名誉を傷つけるつもりなど一切ない。許してやってくれ』
国王であるレイに謝られては、ヤイーシュもそれ以上は言えない。
代わって、黙り込む主君――ミシュアルに声を掛けた。
『陛下、ラシード殿下たちに万一のことはないと思いますが、ターヒルの身が危険です。一刻も早く国に戻り、事態の解明に――陛下!』