紺碧の海 金色の砂漠
『わかっている。騒ぐな』
部外者であるサトウの言葉を聞くと確かにそうだ。
ヤイーシュの部族が族長を狙うことなどあり得ない。だが、日本のクアルン大使館車両が爆破された狙いはヤイーシュで間違いないだろう。
そしてターヒルに出ているという逮捕状――。
そのとき、一旦下がった補佐官サトウが再び部屋に現れた。
彼はレイに、マニラ国際空港から特別チャーター機が到着した、と告げたのである。
「今週一杯、公賓の予定は入っていなかったと思うが。入国希望者の国籍と名前は?」
「ラフマーン・スルタン国でございます。王太子第二王子サディーク殿下が、長期滞在中のご息女アーイシャ様のために、五名の女官を遣わせる、と」
ミシュアルはハッと顔を上げた。ヤイーシュも無言でこちらを見ている。
ふたりの様子にレイは、
「いいだろう。入国を許可する。その五名を王宮正殿に連れて来るように」
そう命じたのであった。
部外者であるサトウの言葉を聞くと確かにそうだ。
ヤイーシュの部族が族長を狙うことなどあり得ない。だが、日本のクアルン大使館車両が爆破された狙いはヤイーシュで間違いないだろう。
そしてターヒルに出ているという逮捕状――。
そのとき、一旦下がった補佐官サトウが再び部屋に現れた。
彼はレイに、マニラ国際空港から特別チャーター機が到着した、と告げたのである。
「今週一杯、公賓の予定は入っていなかったと思うが。入国希望者の国籍と名前は?」
「ラフマーン・スルタン国でございます。王太子第二王子サディーク殿下が、長期滞在中のご息女アーイシャ様のために、五名の女官を遣わせる、と」
ミシュアルはハッと顔を上げた。ヤイーシュも無言でこちらを見ている。
ふたりの様子にレイは、
「いいだろう。入国を許可する。その五名を王宮正殿に連れて来るように」
そう命じたのであった。