紺碧の海 金色の砂漠
(15)あの朝の別れから
(15)あの朝の別れから
頑丈なドアのノブが見事に壊れ、ドアは開いたままになっている。そしてベッドの近くで肩を押さえ、ダーウードは跪いていた。
最初の発砲でドアの鍵を壊し、二発目で彼の肩を撃ち抜いたらしい。
アーディル王子こと笹原はかなりの頼りがいのある人物のようだ。
……それはともかく。
『ダーウード、それはいったい……』
「ちょっと、ダーウード。今なんて言ったのっ!?」
義弟を押しのけ、舞はダーウードに詰め寄ろうとする。
しかし次の瞬間、ダーウードは一旦おさめた刃物……ジャンビーアを手に斬りかかってきた。
小振りで日本の出刃包丁くらいの長さだが、殺傷能力は充分にありそうだ。
笹原が慌てて飛びつこうとしたが……。
しかし、今の舞はさっきの彼女とは違う。
相手は利き手を動かすこともできない。それに、平均よりはカクシャクとしているものの、ダーウードは七十近い高齢だ。
思えば、闇の中とはいえ敵が笹原のような若い男だったら、舞は逃げ切れていなかっただろう。
ダーウードが斬りかかるといってもかなりゆっくりで、舞は手にした大理石の灰皿でジャンビーアを叩き落した!
『無礼者! 聞かれたことに答えよっ!』
頑丈なドアのノブが見事に壊れ、ドアは開いたままになっている。そしてベッドの近くで肩を押さえ、ダーウードは跪いていた。
最初の発砲でドアの鍵を壊し、二発目で彼の肩を撃ち抜いたらしい。
アーディル王子こと笹原はかなりの頼りがいのある人物のようだ。
……それはともかく。
『ダーウード、それはいったい……』
「ちょっと、ダーウード。今なんて言ったのっ!?」
義弟を押しのけ、舞はダーウードに詰め寄ろうとする。
しかし次の瞬間、ダーウードは一旦おさめた刃物……ジャンビーアを手に斬りかかってきた。
小振りで日本の出刃包丁くらいの長さだが、殺傷能力は充分にありそうだ。
笹原が慌てて飛びつこうとしたが……。
しかし、今の舞はさっきの彼女とは違う。
相手は利き手を動かすこともできない。それに、平均よりはカクシャクとしているものの、ダーウードは七十近い高齢だ。
思えば、闇の中とはいえ敵が笹原のような若い男だったら、舞は逃げ切れていなかっただろう。
ダーウードが斬りかかるといってもかなりゆっくりで、舞は手にした大理石の灰皿でジャンビーアを叩き落した!
『無礼者! 聞かれたことに答えよっ!』