紺碧の海 金色の砂漠
そんな彼が、兄・ミシュアル国王からの書簡を受け取り、独断でアズウォルドに入国したのだという。
普通なら、大使館を通じ事前に入国先の許可を得る。でも彼は今回、そういった手順を一切無視した。
誰にも知らせず入国し、直接この王宮を訪ね、レイ国王にミシュアル国王の希望を伝えたらしい。
「書簡って何? アルはあなたに何を頼んだの?」
舞はアバヤをかぶったまま、笹原に向かって尋ねる。
しかし、言葉を返したのはレイ国王のほうだった。
「――アーイシャ殿。テレビをかけさせてもらうが……構わないだろうか?」
「は? テ、テレビですか? はあ、それは別に」
言葉の内容に気が抜けたが、レイ国王の声はまだ緊張を孕んでいた。
(なんで、こんなときにテレビ? でも、逆らうに逆らえないし……)
胸の中でぶつぶつ言いながら、舞は黙ってみていた。
すると、エアコン用と思っていたリモコンを彼が手に取ると、ワンタッチで壁がウィーンと上にスライド! そして、超大型のフラットスクリーンテレビが姿を見せる。
「す、すごい! こんなトコにテレビがあったなんて!?」
「何日も滞在して……君たちはテレビも見ていなかったのか? それはいったい、何を」
普通なら、大使館を通じ事前に入国先の許可を得る。でも彼は今回、そういった手順を一切無視した。
誰にも知らせず入国し、直接この王宮を訪ね、レイ国王にミシュアル国王の希望を伝えたらしい。
「書簡って何? アルはあなたに何を頼んだの?」
舞はアバヤをかぶったまま、笹原に向かって尋ねる。
しかし、言葉を返したのはレイ国王のほうだった。
「――アーイシャ殿。テレビをかけさせてもらうが……構わないだろうか?」
「は? テ、テレビですか? はあ、それは別に」
言葉の内容に気が抜けたが、レイ国王の声はまだ緊張を孕んでいた。
(なんで、こんなときにテレビ? でも、逆らうに逆らえないし……)
胸の中でぶつぶつ言いながら、舞は黙ってみていた。
すると、エアコン用と思っていたリモコンを彼が手に取ると、ワンタッチで壁がウィーンと上にスライド! そして、超大型のフラットスクリーンテレビが姿を見せる。
「す、すごい! こんなトコにテレビがあったなんて!?」
「何日も滞在して……君たちはテレビも見ていなかったのか? それはいったい、何を」