紺碧の海 金色の砂漠
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何があっても朝は来る。

舞はそのことを実感しながら、短い眠りから目を覚ました。


天井にはこれまでと違うシャンデリアがぶら下がっている。王宮は壁や柱、調度品に大理石が多く使われているせいか、全体的に涼しげなイメージだ。

日本にすごく近い気がするのに、アズウォルドは常夏の島なんだなぁとあらためて思う舞だった。


ベッドは国賓室のものより少し狭い。

女官長のスザンナが、


「突然のことでお支度が充分でなく、申し訳ございません」


そんなふうに謝っていた気がする。

だが、実を言えばよく覚えていないのだ。
 

眠っているところをいきなり襲われた。

で、ミシュアル国王に助けてもらったと思ったら、実は初対面のアーディル王子こと笹原公平と名乗る人物。

しかも、舞を襲った犯人は……先代国王から側近を務めて来たダーウード。

決して私欲に走る人物とは思えない。そんな彼に殺したいほど憎まれていたのか、と思うと……。たとえ苦手なダーウードとはいえ、かなりキツイ。

しかもラストは、ミシュアル国王の死亡が確認された、なんていう馬鹿げたニュース。


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