紺碧の海 金色の砂漠
舞の言葉を横から奪ったのは、部屋の隅に控えていた笹原公平。
その声を耳にした瞬間、舞はドキンとする。
そんなことを気にしている場合じゃないのだが、彼の声はあまりにもミシュアル国王に似すぎていて、胸が高鳴るのだ。
『まずは陛下の生死を確認せねばなりません。そのためにも、なんとしても国に戻らねば』
『しかし、ヤイーシュ。お前は身分証すらあるまい。帰国するなり、拘束される可能性もある』
「……ねえ、ちょっと、わたしの話も……」
『そのようなこと――我がアル=バドル一族が黙ってはおりません! 無論、正攻法で入るつもりは』
『ならば私に考えがある。――見よ。これが私の手にある以上、長老会議にも文句は言わせぬ!』
「ちょっと! 人を無視して話さないで……え?」
笹原が取り出したのは――
「それってアルが持ってたジャンビーア? なんで……どうしてあなたが持ってるわけ!?」
それは、ヤイーシュと決闘したときや、元軍務大臣の部下たちに襲われたとき、ミシュアル国王が手に戦った“王太子の剣”であった。
その声を耳にした瞬間、舞はドキンとする。
そんなことを気にしている場合じゃないのだが、彼の声はあまりにもミシュアル国王に似すぎていて、胸が高鳴るのだ。
『まずは陛下の生死を確認せねばなりません。そのためにも、なんとしても国に戻らねば』
『しかし、ヤイーシュ。お前は身分証すらあるまい。帰国するなり、拘束される可能性もある』
「……ねえ、ちょっと、わたしの話も……」
『そのようなこと――我がアル=バドル一族が黙ってはおりません! 無論、正攻法で入るつもりは』
『ならば私に考えがある。――見よ。これが私の手にある以上、長老会議にも文句は言わせぬ!』
「ちょっと! 人を無視して話さないで……え?」
笹原が取り出したのは――
「それってアルが持ってたジャンビーア? なんで……どうしてあなたが持ってるわけ!?」
それは、ヤイーシュと決闘したときや、元軍務大臣の部下たちに襲われたとき、ミシュアル国王が手に戦った“王太子の剣”であった。