紺碧の海 金色の砂漠
舞がセルリアン島の国立リゾート・スパに戻り、二日が経つ。
この王宮で、舞はレイに向かって言った。
『アルは必ず戻ると言いました。それまで、おとなしく待つように、と。だから、もう少しだけ……この国に、いさせていただけますか?』
『もちろん、ミシュアルが迎えにくるまで、ここにいていただかなくては。それは、私と彼の約束ですから』
舞はレイの心遣いに、笑顔を見せながら感謝を口にした。
国民は新しい国王に期待している。だが、それもあと数日が限度だろう。国王が姿を見せず、死亡説が流れ、王室が新国王を発表したら……。
そうなれば、ミシュアルが生きて戻っても、国政の混乱は避けられない。ただでさえアラブ諸国で暴動の起こっているこの時期だ。反日組織ではなく、王政反対派がテロに走れば、クアルンはとんでもないことになるだろう。
(何をやってる。まさか、本当に……)
そのとき、ドアがノックされると同時に開いた。
駆け込んできたのは補佐官のサトウである。
「どうした、サトウ。お前がそんな慌てて」
「は、はい。それが……とんでもない、連絡が入りまして。その、陛下のご指示を……」
レイは息を吐くと低い声で命じた。
「シーク・ミシュアルの生死が判明したんだな。話せ」
この王宮で、舞はレイに向かって言った。
『アルは必ず戻ると言いました。それまで、おとなしく待つように、と。だから、もう少しだけ……この国に、いさせていただけますか?』
『もちろん、ミシュアルが迎えにくるまで、ここにいていただかなくては。それは、私と彼の約束ですから』
舞はレイの心遣いに、笑顔を見せながら感謝を口にした。
国民は新しい国王に期待している。だが、それもあと数日が限度だろう。国王が姿を見せず、死亡説が流れ、王室が新国王を発表したら……。
そうなれば、ミシュアルが生きて戻っても、国政の混乱は避けられない。ただでさえアラブ諸国で暴動の起こっているこの時期だ。反日組織ではなく、王政反対派がテロに走れば、クアルンはとんでもないことになるだろう。
(何をやってる。まさか、本当に……)
そのとき、ドアがノックされると同時に開いた。
駆け込んできたのは補佐官のサトウである。
「どうした、サトウ。お前がそんな慌てて」
「は、はい。それが……とんでもない、連絡が入りまして。その、陛下のご指示を……」
レイは息を吐くと低い声で命じた。
「シーク・ミシュアルの生死が判明したんだな。話せ」