紺碧の海 金色の砂漠
アラビア語の“おねだり”は効果てきめんで、琥珀色の瞳が一瞬で煌いた。


『よかろう。さあ、脚を開き私を受け入れよ』

『ああ……恥ずかしゅうございます』


なんて言いつつ、王のハーレムに入れられた異国の姫君になりきってみる。

すると、同じく調子に乗ったミシュアル国王は、わざとゆっくり抜き差しを始めるのだ。


『どうだ? 二度と私から離れぬと誓うなら、最高の悦びを与えてやろう』

『……はい……誓います。陛下のお傍から……離れま……あっ』


ふいに抽送スピードが上がった。しかも舞の腰をがっしりと掴む。


「ハーレムごっこはおしまいだ! 舞、私を愛していると言え!」


舞は長くしなやかな脚を彼の腰にしっかりと絡め、


「……愛してる……大好きよ、アル」

「私もだ。お前を愛している。お前だけだ」


ふたりはこのとき“最高の悦び”を同時に迎えたのだった。


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