紺碧の海 金色の砂漠
(わたしがこんな目に遭ってるのに……なんでアルってば、助けてに来てくれないのっ!?)


まさか舞たちの通って来た道が、直後に崖崩れで通行不可になったとは夢にも思わない。

すぐ後ろを追いかけて来てくれると信じていた。

怒られるかも知れないけど、ティナをひとりきりにはできないという、舞の気持ちをわかってくれると信じたかったのだ。


でも、来てくれないってことは……。


(ひょっとして、わたし、見捨てられた?)


水に揉みくちゃにされながら、悪い想像ばかりが頭をよぎる。

舞は地面を這うようにしてコテージの横に出た。どうにか水の拘束から逃れ、ホッと息を吐く。


その時だ、自分のすぐ後ろにいたティナのことを思い出し、振り返った。


「……ティナ?」
 

真後ろにいたはずの彼女の姿がない!


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