か・せ・こ・く・い
「なんであの土手にいたんだよ」
私たちは土手を下りて、川の近くにあるベンチに座った。
「ごんが土手に行きたいって言ったから」
「そうか…」
神様っているのかなぁ…。
なら、お礼を言いたい。
私の夢を叶えてくれてありがとうって。
「豊はなんでここに?」
「体力づくりに。俺、野球部のスタメンじゃん?だから、筋肉が必要なんだよ」
「ふーん」
豊もちゃんと野球のこと考えてるんだね。
なんか関心しちゃう。
「これが愛犬のごん?」
「うん」
豊はごんの頭を撫でる。
その表情は柔らかくて。
豊の外見は怖い。
左耳にはピアス。
黒髪にピンクのメッシュ。
一般的にヤンキーというジャンルに入る。
でも…その瞳の奥、心の奥は優しくて。
また惚れ直した。
ごんも喜んでるみたい。
ごん?
私の豊を取らないでよぉ?
そう心で叫んだ。
誰かに取られてしまう。
そんな気がして…。
心は不安でいっぱいだ。
「侑香里?」
「うん?」
「お前さぁ…まだ初恋の相手忘れられてないの?」
突然の質問にちょっと動揺する。
「えっ?…あぁ…うん」
「そうか…」
豊は視線を足元に移す。
髪で見えないから分からないけど…。
悲しい顔に見えた。
私たちは土手を下りて、川の近くにあるベンチに座った。
「ごんが土手に行きたいって言ったから」
「そうか…」
神様っているのかなぁ…。
なら、お礼を言いたい。
私の夢を叶えてくれてありがとうって。
「豊はなんでここに?」
「体力づくりに。俺、野球部のスタメンじゃん?だから、筋肉が必要なんだよ」
「ふーん」
豊もちゃんと野球のこと考えてるんだね。
なんか関心しちゃう。
「これが愛犬のごん?」
「うん」
豊はごんの頭を撫でる。
その表情は柔らかくて。
豊の外見は怖い。
左耳にはピアス。
黒髪にピンクのメッシュ。
一般的にヤンキーというジャンルに入る。
でも…その瞳の奥、心の奥は優しくて。
また惚れ直した。
ごんも喜んでるみたい。
ごん?
私の豊を取らないでよぉ?
そう心で叫んだ。
誰かに取られてしまう。
そんな気がして…。
心は不安でいっぱいだ。
「侑香里?」
「うん?」
「お前さぁ…まだ初恋の相手忘れられてないの?」
突然の質問にちょっと動揺する。
「えっ?…あぁ…うん」
「そうか…」
豊は視線を足元に移す。
髪で見えないから分からないけど…。
悲しい顔に見えた。