か・せ・こ・く・い

あれから一週間。
私はいつものように登校した。
豊とはなにも変わらない。
でも…少しだけ距離は縮んだ。
「おはよう！！」
彩香が話しかけてきた。
「おはよう、彩香」
「あっ！！葵のさぁ机見た？」
「えっ？なんかあったの？」
彩香が手招きする。
私は彩香の方についていった。
「えっ…」
葵の机は廊下に出されてた。
机には「死ね」「消えろ」「ブス」などと寄せ書きのように書いてあった。
「これ誰がやったの？」
「このクラス全員」
「葵は？」
「まだ来てない」
ちょっとやりすぎじゃないのか？
そう思った。
「彩香は書いたの？」
「うん。あと書いてないの侑香里だよ？」
彩香は私にペンを差し出した。
「書かなきゃいけない？」
「書かないと侑香里がいじめられるよ？」
彩香は脅すように言った。
私は戸惑いながらも机の角に小さく「バカ」と書いた。