か・せ・こ・く・い
「葵になんて言われた!?」
あ…。
メールするの忘れてた。
「えっ…豊くんのことが好きになったから協力してって」
「えぇ!?豊くんにアイツなんかお似合いじゃないよ!!」
「だよね!!じゃあ、豊くんにアイツのこと嫌いになってもらおうよ」
「うん!!侑香里さぁ…豊くんと仲良しじゃん?呼んできてよ!!」
「分かった…」
私は皆の元を離れ、豊を探した。



「あっいた!!」
豊を探し回り、五分。
ようやく友達と話している豊を見つけた。
「侑香里!!どうした?」
「ちょっときて?」
私は半ば強引に豊を連れ出した。
「おいっ、どこ行くんだよ」
「いいの」
私は豊の顔を見上げ、微笑んだ。
すると、豊も負けないくらいの笑顔を返す。
心臓がドクンドクンと音を立てる。
自分が話す声よりも大きい気がして…。
この鼓動が聞こえませんように。
そう願った時、私の教室の前に着いた。
「ここだよ」
「えっ?侑香里のクラスじゃん」
「うん!!入って?」
私が豊の手をとり中に入る。
すると、女子の鋭い視線が。
ヤバい…。
豊は学校一モテる男の子だったね。
「豊くん、こっち!!」
彩香たちが呼ぶと豊くんは顔を曇らせる。
「何の用?」
「まぁまぁ。ここ座って?」
彩香が近くにあった椅子に豊を座らせた。
「豊くんさぁ…生田葵って誰のことか分かる?」
「あぁ…このクラスの女子だろう?」
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