白の恋

白い雪

僕が生まれたのは
12月の寒い日だったという。


その日は前日に降った雪が積って、
あたり一面は真っ白な世界が広がっていた。


僕は”真白”と名付けられた。




母は身体が弱く、僕がお腹の中に
いるのがわかった時にはすでに
出産するのは無謀だというような
そんな状態だったらしい。


それでも母は諦めることなく、
父を始め、医師や周りを説得し、
半ば強引に僕を産んだという。


母の穏やかで天使のような笑顔と、
父の母と僕への愛しそうな眼差しは
絵にかいたような幸福な家族のようだったと看護婦さんは言っていた。
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