君ノ色。
*プロローグ*

  

   この音は、淡い「黒色」


   この音は、吐き気を覚えるほどに濃い「赤色」


   この音は、細やかなグラデーションを見せる「えんじ色」


   この音は、絵の具なんかじゃ作り出せないような消え入りそうな「桃色」



 
  これらの聞こえる音に感じる『色』

  あくまで感じるだけ

  だけど、見えているようにも思える

   

  一人の人間にそれぞれ感じる『色』

  同じ色など感じたことが無い
   


  本当は、そんなもの、はじめから無いのかもしれない
   
  本当は、そんなもの、はじめから見えてないのかもしれない

   
  本当に、ヒトの数だけ『色』があるのだとしたら?

  本当に、僕には『色』が見えていたのだとしたら?



   君にも、『色』があるのだとしたら?
   
  
 

僕は、

   君の『色』を、感じることができないのかもしれない

   君の『色』を、感じることができるのかもしれない







   君の『色』を、見ることができるかもしれない
   



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