七色ボーイズ〜太陽の光〜
そう思ったら、周りがざわざわとしだした。
男子たちが見る方向には、今登校してきただろう女の子がドアから入ってきているところだった。
あたしは嬉しくなって、心の不安が去っていった。
その子はかなり美少女で、小柄な体つきだった。
あたしの方に歩いてくその子。
美少女はあたしの前の席に座った。
珍しい女子のあたしを、美少女は見て見ぬ振りをした。
ちょっと!?
普通挨拶とかするでしょ!
そう思ったから、あたしから話かけてやった。
「ねぇ!」
周りの男子は美少女についてまだざわざわしていて、美少女はそれをうっとうしそうに無言で振り返った。
「あたし、高羽千夏って言うんだけど、あなたは?」
「あたしの名前?古屋 沙知(ふるや さち)だけど、さっちゃんて呼んで!」
・・・なぁーんだ。
恐る恐る聞いたけど、割と明るく返してくれた。