龍とわたしと裏庭で⑥【高3新学期編】
わたしは要さんの腕にしがみつき、陰に隠れるようにして横向きに歩いた。
「志鶴ちゃん、普通にしたら? 犬にしてみたら、その方が怪しく見えるぞ」
「だって……」
「じゃあ手を繋ごう。俺が犬の側を歩くから。それでどうだい?」
わたしは頷いて、要さんの手に自分の手をすべりこませた。
ゴツゴツした大きな手。
要さんは圭吾さんより背が高いから、手も大きいみたい。
でも、優しい手だわ。
それに、ちっともドキドキしない。
「圭吾には内緒だよ。殺されてしまう」
うん。わたしも部屋から出してもらえないかも。
「要さんも、圭吾さんと同じね」
「どこ? 変なところが?」
「そうじゃなくって」
わたしは笑って言った。
「さっきドアを押さえていてくれたでしょ? 圭吾さんもよくそうする」
「志鶴ちゃん、普通にしたら? 犬にしてみたら、その方が怪しく見えるぞ」
「だって……」
「じゃあ手を繋ごう。俺が犬の側を歩くから。それでどうだい?」
わたしは頷いて、要さんの手に自分の手をすべりこませた。
ゴツゴツした大きな手。
要さんは圭吾さんより背が高いから、手も大きいみたい。
でも、優しい手だわ。
それに、ちっともドキドキしない。
「圭吾には内緒だよ。殺されてしまう」
うん。わたしも部屋から出してもらえないかも。
「要さんも、圭吾さんと同じね」
「どこ? 変なところが?」
「そうじゃなくって」
わたしは笑って言った。
「さっきドアを押さえていてくれたでしょ? 圭吾さんもよくそうする」