龍とわたしと裏庭で⑥【高3新学期編】
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4時間目は芸術の選択授業だった。
教室移動なので、みんなでゾロゾロと廊下を歩く。
わたしは書道、美幸と亜由美は音楽選択だ。
「今日、歌のテストなんだよね」
美幸がげんなりとした顔をした。
「歌、得意じゃない」
わたしが言うと、美幸は『とんでもない』って言った。
「カラオケとは違うよ。ピアノ伴奏で独唱、だよ? あー、わたしも書道にすればよかった」
「あんた、壊滅的に字が下手じゃない」
亜由美が笑った。
「じゃあ美術」
「絵も酷いわよ」
「中学の時、校内絵画展で金賞を取ったよ」
それ、すごくない?
「覚えてる。美術の先生の講評もね。『子牛の生命力を感じる力強い絵だ』――だったわね」
亜由美がニヤニヤと笑った。
「そ、う、よ。笑えばいいわ」
教室移動なので、みんなでゾロゾロと廊下を歩く。
わたしは書道、美幸と亜由美は音楽選択だ。
「今日、歌のテストなんだよね」
美幸がげんなりとした顔をした。
「歌、得意じゃない」
わたしが言うと、美幸は『とんでもない』って言った。
「カラオケとは違うよ。ピアノ伴奏で独唱、だよ? あー、わたしも書道にすればよかった」
「あんた、壊滅的に字が下手じゃない」
亜由美が笑った。
「じゃあ美術」
「絵も酷いわよ」
「中学の時、校内絵画展で金賞を取ったよ」
それ、すごくない?
「覚えてる。美術の先生の講評もね。『子牛の生命力を感じる力強い絵だ』――だったわね」
亜由美がニヤニヤと笑った。
「そ、う、よ。笑えばいいわ」