龍とわたしと裏庭で⑥【高3新学期編】
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『失礼します』と言って保健室に入って来たのは、やっぱり司先生だった。
司先生は、わたしの裸足の片足にサッと目をやった。
「志鶴さん、大丈夫ですか?」
「はい。でも、足を捻挫したみたいで……」
司先生は顔をしかめた。
「片岡先生、捻挫で間違いないですか?」
「医者じゃないんで、多分、としか言えませんよ」
養護の先生は答えた。
「湿布を貼っておくけど、心配なら病院へ連れて行った方がいい」
司先生は、片手で顔を覆って呻いた。
「悟、報告を」
「しづ姫が階段でコケた。落ちかけたところを大輔が術で止めて、僕が下に下ろした。最初に足を滑らせた時に、右足首負傷。僕が保健室まで運んで、片岡先生の見立ては捻挫。以上――圭吾には僕が電話しよっか?」
「いや、いい。それは、わたしの仕事だ」
司先生はわたしの方を向くと、口調を和らげた。
「志鶴さん、迎えが来たら今日はこのまま帰りなさい。鞄は悟に届けさせるから」
「はい」
司先生は、わたしの裸足の片足にサッと目をやった。
「志鶴さん、大丈夫ですか?」
「はい。でも、足を捻挫したみたいで……」
司先生は顔をしかめた。
「片岡先生、捻挫で間違いないですか?」
「医者じゃないんで、多分、としか言えませんよ」
養護の先生は答えた。
「湿布を貼っておくけど、心配なら病院へ連れて行った方がいい」
司先生は、片手で顔を覆って呻いた。
「悟、報告を」
「しづ姫が階段でコケた。落ちかけたところを大輔が術で止めて、僕が下に下ろした。最初に足を滑らせた時に、右足首負傷。僕が保健室まで運んで、片岡先生の見立ては捻挫。以上――圭吾には僕が電話しよっか?」
「いや、いい。それは、わたしの仕事だ」
司先生はわたしの方を向くと、口調を和らげた。
「志鶴さん、迎えが来たら今日はこのまま帰りなさい。鞄は悟に届けさせるから」
「はい」